月影兎

星ひとつ無き月夜の宵に
1羽の兎 月影目指して駆け廻る
行けども行けども月影遠く
1羽の兎は森へと至る
樹々を掻き分け月影探せば
1羽の兎 遂に『際』に辿り着く

星ひとつ無き月夜の宵に
1羽の兎 月影目指して駆け廻る
森の『際』には湖ひとつ
仄かに蒼光放ちし水面に
月影ひとつ映り揺れる
1羽の兎 躊躇う事無く駆け走る

星ひとつ無き月夜の宵に
1羽の兎 月影目指して飛び込んだ
深き湖底の碧水の中
1羽の兎は漂い夢見る
月影の国の夢幻の世界を
1羽の兎 湖の底で永遠の眠りを

1羽の兎を追い掛け
少女が月影見上げた先に
1羽の兎 姿見せずや