亡骸駒鳥

冷たきの隅
打ち棄てられた一羽の駒鳥
そっと手に取り包み込む
幼子の白き手の平の中


駒鳥を殺したのはだあれ?
幼子の問いに応える
空飛びながら弓矢で遊んだ
あの子の胸に刺したのはあたし

目撃していたのはだあれ?
幼子の問いにが応える
彼女らの周り飛んでいた
ワタシが墜ちてく彼女を見ていた

流れた血の色見たのはだあれ?
幼子の問いにが応える
月影を映す鏡の湖底
雫の紅を妾は見たぞ

死装束を作るのだあれ?
幼子の問いに兜虫応える
鋭い針と細い絲持つ
男だけれどお張り子の僕が

牧師の役を担うのだあれ?
幼子の問いにが応える
救世主の聖なる書物を持てる
牧師になれるは我だけであろう

彼の手伝いするのはだあれ?
幼子の問いに雲雀が応える
あたくしがやるわ退屈凌ぎに
闇夜ならば行かないけれど

松明持ってくるのはだあれ?
幼子の問いに胸赤鶸応える
貴女の為の眩い灯火
今すぐ俺が持ってきます

式のため喪主になるのはだあれ?
幼子の問いにが応える
親友だったのわたくし達は
嘆きを払いあの子の為に尽くしましょう

埋葬のため墓穴掘るのはだあれ?
幼子の問いにが応える
円匙の二刀流
明ける前にが済まそう

彼女の棺桶運ぶのだあれ?
幼子の問いにが応える
俺様が運んでやってもいいぜ
夜には予約が入っているがな

を覆う布持つのはだあれ?
幼子の問いに鷦鷯が応える
ボクと彼女のの子が
一緒に持つよ其の布を

綺麗な讃美歌唄うのだあれ?
幼子の問いに応える
わたし一人でも厭いませんわ
自慢の喉を振るわせましょう

教会の鐘を鳴らすのだあれ?
幼子の問いに牡牛が応える
オレの力を貸してやろう
紐を引けるはオレしか居ない


汚れを知らぬ雫が零れ
響く鐘の 空に谺す
何もかぬ手の平の中
そっと何かを閉じ込める