Erica

映し出される破顔の少女
白きヒースの花と戯れ
のドレスを染め上げる

視線の先に絵描きの青年
白きヒースの花を纏いし
幼き乙女を描き出す

広げ掲げた手の先に
ヒースの花が零れて落ちる
被写体じみた様子も見せず
無邪気優雅に遊びを続ける

絵筆を持てる指の先
ヒースの花が綻び開く
少女が目にする彼の眸に
愛しさを越える感情は無し

フィルムに残るは
白紫の少女
可憐な笑みと
濁りの無き声美しく
フィルムに残らぬ
描きの青年
姿は映らず
声も無く


映し出される微笑の少女
紫紺のヒースの花と戯れ
真白のドレスを染め上げる

彼の眸の中にのみ棲まう
少女の姿が其処に在る