少女人形

姿見映す少女の眸
合わせ鏡の片割れが
焼き付けるは理想の少女

純白ドレス身に纏い
頭に被せる華飾り
零れ落ちる巻き毛は永く
爪の先まで真白に染める

恋煩いの少女の心
想い描く理想は遠く
目蓋の裏のさかしまの国

白し兎の穴に堕ち
嗤う猫に導かれ
女王に死罪を云い渡されて
巡り廻っても醒めぬ夢

私は彼の理想のアリス
そういう風に出来ている
私がアリスであるべきなのに
何故あの子を見ているの?

リボンを結んで
レースで飾って
愛しい愛しい彼の元へ
目隠し外した眼前の
あの子の眸に硝子玉


追憶はただ哀しいだけ
現実を思い知らされる
私はただの完璧な人形
彼の特別にはなれない