紅花嵐

枝垂れの枝
触れて
あるはずのない花冠
愛でる
其処に祈り捧ぐ少女の
垂れ下がるの黒髪

咲き誇る春に
目覚めぬ木よ
枝垂れる姿は
老い故なのか

暗黒に染められた
桎梏の神
絡め生け捕るは
薄桃色の蜘蛛の絲
這い登る異形の如く
侵蝕は肉体へと至りて

の枝は
表皮
装飾
骨子
触れて
少女を愛でる
紅を手に入れんが為に

微睡みの春に
人喰いの木よ
枝垂れる姿は
懺悔の偽装か

かつてこの木の
死を得し少女が舞う
腐臭へと彩りを添う
悔恨と贖罪の輪舞曲
紅イ沓ハ脱ゲナイ儘ニ

枝垂れの枝に綻びの花
咲く甲斐なきほど呆気なく
一片一片散り急ぐ
死した少女の哀しみが為
桜の流す血の泪