あとがき

微睡む夜に仄灯り衣擦れの音細やかに形式も無き奇怪な宴
眠れるもの目醒めず眠らぬもの訪う
 (まどろむよるにほのあかりきぬずれのおとささやかにけいしきもなききかいなうたげ
  ねむれるものめざめずねむらぬものおとなう)。
耽詩集(たんししゅう)。


副題を初めに考えた為、“耽る”をテーマに作成。
美と陶酔と性的倒錯を出来るだけ詰め込みました。

1.微睡む子猫(まどろむこねこ)
元々あった御題“猫の夢見”とmix。
人間に憧れる猫が夢見る御伽噺の世界。

2.夜に往ぬ(よるにいぬ)
性的倒錯ものが書きたくて作成。
往ぬは死ぬと同義です。

3.仄灯りを食す(ほのあかりをしょくす)
カニバリズム=人肉喰い。
“食す”でこれしか浮かびませんでした。

4.衣擦れの囁き(きぬずれのささやき)
衣擦れが誘う死+玻璃窓越しの死。
「嗚呼,恍惚」と「嗚呼,墜落」はどうしても外せなかった重要ポイント。

5.音闇(おとやみ)
痛む耳鳴り→美しき旋律!

6.細やかに悪意を(ささやかにあくいを)
日々に潜む悪意や殺意。
少しずつ死んでゆく世界(炉心融解/VOCALOID)を眺めて恍惚。
人の醜態を嘲笑うように。

7.形式も早世(けいしきもそうせい)
支離滅裂な言葉の連なり。
意味なく、意味あり。
さかしま

8.無き子(なきこ)
暗黒童話が書きたいな、と思い詩作。
無き=(シンプルに)亡き、という事で赤い靴を履いていた女の子の話。

9.奇怪な魂(きかいなたましい)
グロテスク・エキセントリック・デカダンス。
=美!
醜なるものに惹かれる者。
=奇怪な魂。

10.宴の途中(うたげのとちゅう)
灰被りをモチーフに。
12時を過ぎると魔(=本来の姿)に。
王子は見て逃げ、王が恋する。
彼女は王と結ばれ王子の母に。
昼は美しい母との近親相姦。

11.眠れるものには死を(ねむれるものにはしを)
vanitasについての片倉氏の言を元に作成。
描く為だけに、眠る者を殺害していく。

12.目醒めずに終演(めざめずにしゅうえん)
petite mortについての片倉氏の言葉を参考にしつつ作成。
セックスの絶頂から冷める事なく死す。

13.眠らぬものには苦を(ねむらぬものにはくを)
眠りはわたしとあなたのセックス。

14.訪うは桎梏(おとなうはしっこく)
手枷足枷首枷口枷眼帯包帯。