氷れる

れる 泪
溶けてはならぬと
我、我を戒める
哀しみの宝石
抱きしめて眠る夜に
懐かしの名を

氷れる 菊
花片千切れ
はらり、舞って
突き刺さる雪
身に浴びて佇むは
花散れる冬の

氷れる 女
冷たい眼差しが
綺羅、空に映える頃
色移りの虹彩
貫き裂いたのは
花氷に封じたる

氷れる 生
紅を秘めていた
く、時のリズム
再製された鼓動
唇が感じて
繋いでいく

氷れる
透き通った硝子瓶から
雫、零れ墜ちて
香る水
見えない煙に
添えたのは