妖舞

人喰う鬼が棲む山で
巫女がひとり詠い
眠れる鬼の芽を醒ます

声の中交わる舞
踊るのは仮面の
巫女は魅せられ
ひと時女に孵る

廻る 廻る
舞の佳境で
廻れ 廻れ
運命の糸車

村の子どもが
鬼に殺され白骨化
祓いのために巫女は

静謐の中現る姿
仮面外した鬼の
巫女を見る眸に
人の影が刺した

玻璃あらませば
見ることだになからまし
されど叶うことは無く
泣く、鳴く、鳥になる

椿の落ちた地の上で
巫女はひとり詩詠い
眠れる鬼の追憶がため

声の中交わる舞
踊るのは記憶の
巫女は知れども
ひと時女に