靴紅の恋

汚した
唇の代わりに
あの人の退室をとめた

甘い美酒の
紅い染み
黒い革靴を
紅く染め

謝する私に罪悪はない

零した手が
氷の手に触れ
あの人の体温を感じた

細い指には
銀の指輪
白い肌には
紅いあと

黙する私に実りはない

紅いワインを呑み干して
この哀しみに乾杯しよう
私を見ている彼のために